2013.12.20配信
「どんより」
冬の東京はよく晴れますね。関西人にとっては驚きです。南岸を低気圧が通った時などは、一気に雪が積もってビックリですが、冬型の時の快晴の空にもビックリです。
冬型が強くなったときに、新幹線で関西から東京に向かうと、大阪付近は曇り空、京都・大津はチラチラと雪、米原・関ヶ原は雪が積もり、名古屋は曇り空、でも静岡からは晴れ、富士山がはっきり見えて、東京も快晴と言うことが多いです。地形の影響で天気が異なることがよく分かります。
静岡や関東周辺は2000mから3000mぐらいの山が、西から北の方向にあるので、日本海からやってくる雲を完全にブロックしていますが、関西の山は1000m前後なので、日本海から雲が流れてきます。冬の関西は比較的どんよりとした日が多く、太平洋側と日本海側の中間ぐらいの天気です。今年も冬がやってきました。地形の影響を肌で感じますか。
では、本日の一句「関西は どんより証拠の 曇り空」
2013.11.19配信
「ドングリ」
最近、土曜日は新宿御苑を散歩しています。大都会のど真ん中にある公園ですが、広大な緑の敷地は都会の喧騒から隔絶され、耳を澄ますと様々な秋の音が聞こえてきます。コオロギの声(リッリッ・・)や水分を失った葉っぱが風に揺られてこすれる音(カサカサ・ざわざわ)がはっきりと聞こえます。
今年はドングリが豊作でしょうか?シイやナラの木の下はドングリがたくさん落ちています。木の下にたたずんでいると、ドングリがポトリと落ちてきました。ポト、数秒立ってまたポト、風が吹くとポトポトポトと落ちてくるではありませんか。静寂の中に響くドングリが地面に弾む音は、究極の晩秋の音かもしれません。今年はいい音を聞きました。
では、本日の一句「ドングリのバウンド 秋のサウンドね」
2013.10.18配信
「芳香の方向」
先日、北海道フェアーが開催されていた代々木公園を歩いていると良い香りが届い
てくるではありませんか。と言ってもトウモロコシを焼いた匂いではなく、甘い花の
香りです。クンクンと鼻を利かせて香りの届く方向へ歩いていくと、ありました。香
りの主は黄金色に輝く花、大きなキンモクセイでした。キンモクセイの香りは季節感
があるというか、秋を感じさせてくれますよね。
キンモクセイの香りを楽しんだ後、もう少し散歩をしていると、今度はちょっとく
さい匂いがするではありませんか。その匂いの主は地面の上に大量に落ちていたギン
ナンでした。この香りも季節感が満載です。金の香りと銀の香り、どちらがお好きで
すか?風向きによって変化する香り、この時期の楽しみ方かもしれません。
そこで一つ、「芳香が 届く方向 季節あり」
2013.9.20配信
「特別警報」
特別警報が京都・福井・滋賀の3府県に発表されました。広範囲にわたり数十年に1度の大雨が降ると、川は次々とあふれ土砂災害も発生する。緊迫した状態を目の当たりにしました。
ちょうど発表されたときに、気象情報を担当していましたが、このような時、限られた時間の中で、どのような解説をすべきか?数日たった今でも自問自答しています。台風が接近すると中心や進路の説明は必要です。進路方向にあたる所では、これから被害が発生する可能性があり、実際に突風や大雨の被害がありました。しかし今回は、中心から離れた所で大きな被害があり、実況に即した解説ができたかどうか?被害が出始める前に有益な解説を行うこと、それが使命です。もっと深く追求しなければなりません。
2013.8.23配信
「暑い」
もうこの辺で暑いのは勘弁して~。何をするのも嫌、ベランダに出るのも嫌になります。我が家のベランダは、何度になっているのか? お盆の期間、ベランダの気温とWBGTを測ってみました。WBGTは乾球温度、湿球温度に黒球温度(輻射熱)を加えた、暑さの指数です。
我が家は西向きにベランダがあるので、午後は地獄のような暑さになります。お盆の間で一番気温が高かったのは8月14日、最高気温は16時33分の39.2℃。35℃を上回ったのは11時前、35℃を下回ったのは18時過ぎ。WBGTは16時過ぎに32.1℃まで上がりました。WBGTが31℃を超えると、日常生活においては「危険」ランクとされ「外出はなるべく避ける。高齢者においては安静状態でも熱中症にかかる危険性が大きい」と予防指針では書かれています。
日中は日常の作業も危険かもしれません。朝早くか日が暮れてからの方が良さそうです。
では一句、「ベランダの 作業も時間を エランダら」 熱中症にはお気をつけください。
2013.7.19配信
「クマゼミ」
今年のクマゼミ、我が家(兵庫県西宮市)の周りでは、7月8日に鳴き始め、現在(7月半ば)はうるさいくらいです。クマゼミは早朝から鳴き始め、お昼ごろになるとパタッと鳴くのをやめてしまします。曇りの日は昼過ぎでも鳴いていることがあるので、どうも気温や日射しを感じているようですね。天気と鳴く時間帯の因果関係を調べたいのですが・・・、セミだけにどこかの大学のゼミにお任せします。
そのクマゼミ、私が子供の頃は、まれに鳴き声が聞こえるぐらいの珍しいセミでしたが、今や関西では一本の木に何十匹も鳴いていることもあるメジャーなセミになってしまいました。最近は東京でも鳴き声が聞こえますね。ちょうど私が子供の頃の関西のようになっています。都市化や温暖化などの影響で、身の回りの生物も徐々に生息域を変えているようです。セミの鳴き声でも天気や環境のことが分かりますね。
では、今日の一句「セミ調べ アマチュアながら セミプロに」
2014.6.20配信
「ホタル」
先日、子供と一緒にホタルを見に行きました。向かったのは兵庫県西宮市の有馬川、6月上旬から中旬になるとホタルを見ることができます。最近は地域の人たちが環境の保全に取り組み、関西でも少し郊外に出かけるとホタルが見られる環境が戻ってきました。
日が暮れる前に、川のほとりに到着し、子供と共に蛍が出てくるのを待ちます。辺りが真っ暗になると、川の中の草むらで、一つの光がピカピカと明滅し始め、その光が一つから二つ三つになりました。しばらくすると、何匹かがフワフワと飛び始め、無数の光が浮かぶ幻想的な雰囲気に変わりました。
スイッチを押すと光りはじめるデジタルなものではなく、時間をかけて光始めるのを待ち、かすかな光を楽しむのも子供には必要だと感じた次第です。
さて、数時間ほどのんびりとホタルの光を楽しみましたが、締め切りが迫っている仕事を思い出し、一句つくりました。
「締め切りに 気づいてお尻に 火が付いた」
2013.5.17配信
「薫風」
5月は時候のあいさつ文として「薫風の候」と書くことがあります。その薫風とは?辞書と引くと、「初夏に新緑の間を吹いてくる快い風」とのことです。辞書の意味からすると、肌で感じる風のことを言っているようですが、「薫」の字があるので、風に乗って届く香りのことも含まれているのではないでしょうか?
この文章を書いている5月の中ごろ、我が家の回りでは街路樹のクスノキが小さな花をつけ始め、顔を近づけるほんのりと樟脳の香りが鼻孔をくすぐります。周囲の山ではシイの木(ドングリの木)の花が咲き、山の方から風が吹くと、なまめかしい香りが届きます。特にシイの木は虫を介して受粉を成立させる虫媒花なので、虫を寄せるために強い匂いを放っているのです。
初夏はいろいろな樹木の花が咲く時季であり、風の中に香りが含まれる季節です。深呼吸をして香りを楽しむのも良いかもしれませんね。
では一つ「シイが咲き 風がかおって ヨロシイな」
2013.4.19配信
「シバ発芽」
先日4月13日、東京の新宿御苑に行ってきました。ソメイヨシノは完全に散り、ヤマブキの花も盛りを過ぎていました。京都では昔から春は「梅の花から山吹の花まで」と言うので、東京では、徐々に春から初夏に季節が移り変わっているようです。
この季節はきれいな花に目が行きがちですが、足元に目を移すと、つい先日までは枯れ草の色だった芝生が、緑色になり始め目に優しい色になっていました。気象台でもシバの発芽日を観測している所は多いですね。ちなみにシバの発芽日とは「寒候期に枯葉色だった芝生面が、細長い新葉で覆われて黄緑色に変わった日」とされています。そのデータを見ると、今年は昨年より1週間ほど発芽が早くなっています。新しい緑色の葉の上を歩くと足の裏に伝わる感触も柔らかく、視覚や嗅覚以外でも季節の移り変わりを感じることができるようになってきました。
今回のまとめです。「シバ芽吹き シバらくぶりの 柔らかさ」
2013.3.22配信
「開花予想はもうよそう」
今年の桜は開花が早かったですね。冬はしっかり寒かったので、休眠打破は問題なし。3月に入ったら気温が高くなり、早く咲く条件は整っていました。
さて、桜には開花予想がつきものです。仕組みが分かれば誰にでもできるので、私もここ数年挑戦し続けております。が、これが当たらないんだな。開花直前の気温にかなり左右されるようで、今年のように3月中頃に4月末から5月並みの気温が連続すれば、あっという間に咲いてしまいます。
今年3月9日の段階で、私は東京の開花は3月21日と予想しました。が、結果は・・・3月16日に靖国神社の標本木を見に行きましたが、一目見た瞬間、唖然、呆然、愕然、5,6輪咲いているのは一目瞭然、私の頭は旧態依然。予想は全然ダメダメでした。当てやろうだなんておこがましい。桜は心を無にしてボーっと眺めているのが良さそうですね。
今回のまとめです。「開花予想 ハナであしらう 桜の木」
2013.2.22配信
「飛びスギ注意」
私は花粉症です。発症したのは魚釣りが原因です。なぜ魚釣り?3月になると渓流釣りが解禁になります。そう、渓流は山の中を流れ、その山にはスギの木がいっぱい。その上3月は花粉のピーク。渓流へ行くたびに花粉を山ほど浴び続けたわけですね。20年前の渓流からの帰り道、突然目がかゆくなり、発症してしまいました。それ以来のお付き合いになっています。
どうせお付き合いするのなら、お相手のことをとことんまで知りたい!と言うことで我が家では花粉の性格を把握すべく、花粉の観測を続けております。嫁さんと同じくいまだに分からないことがいっぱいですが、はっきりしているのは、気温が高く、風が強い日は大量の花粉が飛散しているということです。つまり気温上昇で雄花が開き、そこから放出された花粉が風に乗って飛んでくるのです。日本海で低気圧が発達する日は、危ない日ですね。
今回のまとめです。「スギ花粉 飛散が多いと 悲惨です」
2013.1.18配信
「イケメン」
この冬は寒いですね~。我が家のベランダには、金魚池と称する少し大きなタライを置いていまして、金魚池の中には、お祭りの金魚すくいでゲットした和金が数匹泳いでいます。我が家は兵庫県の西宮市、温暖な所なので冬でも氷点下になることはほとんどありませんが、この冬は厳しい冷え込みで、今朝も金魚池の表面は氷がピキッと張っていました。池の上から覗くと鏡のように氷に映る私の姿。いつもだったらすぐに水面に上がってくる金魚は、戸惑っているようです。いたずら心で氷の上にエサを撒いてみると、金魚は食べることができず、氷の下で右往左往しています。「氷が解けるまで待っといてね。」と言いつつも、「残念ながら今日の寒さでは解けへんで。」と悪魔のつぶやき。この冬は金魚が痩せそうですね。
その池に映る私の姿を見ながら五七五を作りました。「池凍る 映る姿は イケメンか」金魚にとっては「イケズ」な男かもしれませんね。