南利幸さん連載コラム(メルマガより抜粋)

2025.3.19配信

「スギ花粉の大飛散」

 

今年の313日、スギ花粉の飛散がピークを迎えました。1平方センチメートル当たりに1145個も観測されました。我が家(兵庫県西宮市)では2002年から観測を続けていますが、24年間の観測の中で一日で1000個を超えたのは初めてです。

 

花粉数の観測は、ワセリンを塗ったスライドガラスを一日外に置いておき、ワセリンに付着した花粉を顕微鏡で数えます。この日は顕微鏡下の小さな視野に無数の花粉が確認され、カウンターを押す指が痛くなるほどでした。

 

ちなみに1平方センチメートルと言えば、目の大きさと同じぐらいです。つまり目の中に1000個以上の花粉が飛び込んできたかと考えると、まさに目も当てられない思いです。私も花粉症です。この日は何度目薬を差しても、目の痒みが夜になっても治まることはありませんでした。

 

スギとヒノキを合わせると、4月後半ぐらいまでは花粉の飛散が続きます。この悲惨な時期は早く終わってくれと願っております。 

2025.2.20配信

「余寒(よかん)」

 

立春以降の寒さのことを余寒と言います。残暑の対義語として残寒(ざんかん)ともいう言葉もあります。

 

今年は立春前の寒の内よりも立春以降の寒さの方が厳しくなっています。我が家のベランダには水を入れた容器を置いていますが、立春以降は毎日のように氷が張っています。この容器の水を目当てやってくるヒヨドリやスズメが、氷が張っていると水浴びや水を飲むこともできず、鳥たちは首をかしげながら悲しげに飛び去っています。

 

2018年も余寒が厳しかった年です。この年はスギ花粉も2月末までは寒さの影響でほとんど飛散することはありませんでした。しかし、3月になると急に暖かくなり、スギ花粉の飛散が一気に多くなりました。2月に飛ばなかった分も合わせて凝縮して飛んだ感じです。

 

今年も3月は暖かくなる予想です。スギ花粉が極めて多く飛散する日がやってきそうです。余寒のせいでスギ花粉に悩まされる嫌な予感がしています。 

2025.1.20配信

「花粉の季節」

 

年が明けるとスギやヒノキの花粉が飛散する季節がやってきます。毎年花粉の観測を行っているのですが、1月の中ごろからは観測を始めるので、落ち着かない日々が始まっています。

 

スギやヒノキの花粉量は、前年の花粉量と夏の天候に影響を受けます。前年の花粉数が少ないと翌年は多くなる傾向があり、夏の気温が高いと花芽をたくさんつける傾向があります。前年2024年の花粉数は例年よりも少なくなった所が多く、夏は全国的に気温が高くなりました。今年は花粉の飛散が多くなる条件は整っています。12月に徳島県にスギの花芽の調査に行ってきました。雄花が大量についているスギの木が多く見られました。 

 

今年は関東から九州にかけては例年よりは飛散が多くなる予想です。1月の段階で少し飛び始めている所もあり、2月上旬ぐらいからは本格的な飛散が始まりそうです。今年は早めに対策をした方が良さそうです。今年は早すぎ、多すぎに注意です。 

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